2013年02月22日

星景写真に挑戦 その1 準備&実践

デジタルカメラの進化により、星の撮影も身近になってきました。私自身もまだ初めてチャレンジしてから1年半程度の初心者ですが、いろいろな雑誌やネット情報などから勉強し、実際にいろいろ実践した多少のノウハウをここでご紹介させていただき、興味のある方のお役に立てればと思います。興味のある方は続きをどうぞ。
 

私が撮影しているのは風景と星を一緒に撮影する「星景写真」という分野になります。

星を「点」で撮影する方法や、長時間露光で「軌跡」を線として写す方法、点として撮影したものを合成して画像を生成する方法など、いくつか表現方法がありますので、それぞれご紹介いたします。

■必要な道具■

・カメラ・・・画質にこだわるならOM-D以降の機種がおすすめです。高感度撮影や後で紹介するコンポジット(比較明合成)の場合大きく差が出ます。(PENならE-PL5/E-PM2以降)複数台あるとなお良いです。(もちろんそれ以前の機種でも撮影は可能です。それ以前はP3やPL3で撮影していました。)

OM-D E-M5
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OLYMPUS PEN Lite E-PL5 / mini E-PM2
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・レンズ・・・明るいレンズ 特にミラーレスの場合は液晶または液晶ビューファインダーでの撮影になるため、明るいレンズでないと星が見えず、ピントが合わせられません。フォーサーズの場合でも明るいレンズがおすすめです。(実は光学ファインダーでもピント合わせは至難の業。ファインダー内の文字表示がかなり明るいのと、当然拡大できないのでピント確認が困難)

具体的にはミラーレスであれば
12mmF2.0、17mmF1.8この2本がおすすめ。

itemV311020SJ000_NOCOLOR_02.jpg itemV311050SJ000_NOCOLOR_02.jpg

基本はワイドで明るいレンズですが、場合によっては
45mmF1.8、17mmF2.8、9-18mmF4-5.6なども。
itemV311030SJ000_NOCOLOR_02.jpg itemN3593512_SILVER_01.jpg itemN3850112_NOCOLOR_01.jpg

フォーサーズであれば
14-35mmF2.0や14-54mmUF2.8-3.5、12-60mmF2.8-4.0SWD、8mmF4.0Fisheyeなど。

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・レンズフード・・・横からの思わぬ光(車のヘッドライトなど)をカットしたり、夜露がついてレンズが曇るのを防いでくれたりとあると有用なアイテム

・三脚・・・もちろんしっかりしたもの。脚もそうですし、カメラがしっかり固定できる雲台も。カメラの台数だけ必要です。

・リモートケーブル RM-UC1 (フォーサーズE-1桁台はRM-CB1)
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・テープ・・・ピントを合わせたらフォーカスリングを固定

・カイロ・・・レンズの曇り止め 白金カイロなど、寒くても熱がでるものが望ましい(使い捨てカイロは寒いと役に立たないことも)レンズに固定

・懐中電灯・・・基本的に暗いところでの撮影になるので足元・手元を照らす。また、動物を威嚇したり・・・

・時計・・・数十分から数時間の撮影になるので撮影開始時間・終了時間がわかったほうが良いです。スマホのストップウォッチ機能などが便利。

・天体アプリ 私のおすすめは Star Walk。他にいろいろあるとは思いますが、価格もリーズナブルでおすすめ。これがあると、どの時刻のどの方角にどんな星座があるのかがわかります。なければコンパスがあると方位がわかります。

・ソフトフォーカスフィルター :これを使うと明るい星ほど大きく写ります。
おすすめはkenko の PRO1D プロソフトン[A](W)
焦点距離によって[B]タイプと使い分けされる方もいらっしゃるようですがまずは[A]タイプでよいかと。
フィルター径が49mmからしかないので12mmF2.0や17mmF1.8の46mm径に装着するにはステップアップリング46→49mmが必要になります。(ただしこれをつけるとレンズフードがつかなくなります)




■カメラの事前設定■

現場は暗いので設定は事前に済ませておく必要があります。オリンパスのカメラで事前に設定しておくべき項目です。

・レンズリセット OFF ・・・ギアメニュー A AF/MF内にあるレンズリセットをOFFに設定します。これはMFで合わせたピント位置が電源をOFFにしても保持される設定です。
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・液晶モニター明るさ:一番暗く・・・真っ暗の中での撮影ですので液晶はかなり明るく見えます。特に風景の写り方は液晶で見るよりも実際はかなり暗いので、最も暗くした状態にしておきます。(最終的にはヒストグラムで確認)
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・仕上がりモード(ピクチャーモード):Flat・・・シャープネス処理が行われると暗い星が消えてしまったりなどの影響があるようです。Flatがおすすめです。
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・露出モード:M マニュアル BulbやTime Live Time/Live Bulbなどもこの中にあります。(E-3/E-5はBULBモードは独立しています)


・フォーカスモード:MF 
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・ホワイトバランス・・・これはどう表現したいかによって変わりますが、3000k付近だと青くなりますし、星の色を正しく出すには4000kくらいだそうです。また、暗い空は自然に黒くということなら普通にWB AUTOでよいと思います。

・リモートケーブル:車から移動する際に車内の明るいところで装着しておくことをおすすめします。(暗い中だと装着しにくいためです)移動中に落とさないように注意しましょう。

・PENシリーズの場合、電源ONの状態だとLEDライトがかなり明るく光りますので、私は黒のビニールテープをそこに貼り、で光がもれないようにしています。
P2210013.jpg

・画質モード RAW+JPEG(LNなど) 万一露出に失敗した時でもRAW現像である程度リカバー出来たりしますので。ホワイトバランスの設定が後からできるのも魅力です。



■ロケーションについて■

たくさんの星を写したいのであれば、暗いロケーションでなければなりません。都会はもちろん、街明かりなどの影響で、大陸のある世界に比べ、日本では真っ暗な場所は限られます。星がたくさん見える場所を探すのであればいくつかのサイトに光害マップが掲載されています。
「光害マップ」のキーワードで検索してみましょう。

これを見ると、日本では星の撮影に適した場所がいかに少ないかがわかります。

もちろん、いっしょに写す風景が素晴らしいほど魅力的な写真になることは間違いありません。
明るいうちにしっかりロケハンしておくことが大切です。


■時期・時間帯・・・月年齢も考慮しましょう■
さて、ロケーションがとても大切で、それによって見える(写る)星の数も大きく異なります。
では、自分が撮影するそのロケーションでいかにたくさんの星を写すかですが、もう一つ事前に調べておきたいのは月の周期です。月明かりがあれば、当然その影響で見える星は少なくなります。満月に近いほど明るくなるのでその影響も大きくなります。一方で、風景とともに星を撮影するのであれば、月明かりは必須です。全く月明かりがなければ風景はシルエットとしてしか映らないからです。(もちろんシルエットとして写すのも素敵ですが)。満月のときはほぼ一晩中月明かりの影響を受けます。新月の場合は月明かりがないので星がたくさん写る反面、風景はシルエットになります。半月くらいがベストで、時刻によって月がある時間と沈んでから(月が欠けていく半月の場合)もしくは昇る前(月が満ちていく半月の場合)に月明かりがない時間帯があるので、両方の状況が撮影できます。半月くらいが風景を撮るにも適しているのでおすすめです。

月の満ち欠けの情報は「暦のページ」(webで検索してみてください)もしくは私のおすすめアプリ「Star Walk」(有料)ですぐにわかります。



■1枚の写真で「点」として写す■

厳密に言うと日周運動によって常に少しづつ星は動いています。数十秒の露光でも拡大してみると若干の線になっています。大体の目安としては15秒から30秒以内にとどめることである程度点像として撮影することができます。

ピントを合わせるということは最も重要なことの一つです。とにかく暗い中ですので、「明るい星」に狙いを定め、「拡大ピント合わせ」の機能で拡大表示して「星=点」が最も小さくなるところ(=ピントが合っているところ)に合わせます。この時の注意点ですが、12mmF2.0や17mmF1.8のレンズにはスナップショットフォーカス機構というものがあり、フォーカスリングを手前に引くとMF専用になります。この時単純に∞マーク付近に合わせればよいかというと、そうではありません。しっかり拡大ピント合わせで確認して合わせましょう。

また、これも私の経験からですが、明るい星に向けているのに星が見つからず、ピントが合わせられない・・・と焦る場合があります。この場合MFのフォーカス位置がかなり近接側になっていて、遠くの星がボケて見えなくなっているというケースが考えられます。∞側にフォーカスリングを回してみましょう。(上記2点のレンズ以外は電子式でのMF専用です。∞のマークはレンズに書いてありませんが、初期設定だと左に向かって回します)きっと星が現れるはずです。

たくさんの星を一度に写すには
・F値を小さくする
・ISO感度を上げる
ということになります。

もともと明るいレンズでないとピント合わせも難しいのですが、絞ってしまうと暗い星は写ってきません。開放から1段絞ったくらいがおすすめです。

ISO感度は上げすぎるとノイズなどの画質低下を招きますが、写る星の数は感度を上げたほうが多くなります。OM-DやPENのE-PL5以降の機種であれば場合によって1600、3200、6400くらいまで思い切って上げてみても良いと思います。ノイズの許容範囲は人によって異なるのでご自身で何枚か感度を変えて撮影してみて判断されると良いと思います。

※正確には露出を合わせるにはISO6400は8秒ですが
こんな使い方をすると思っていなかったので・・・(クリックで拡大)
P1044532.jpg P1044534.jpg

最後にシャッター速度の決定ですが、これはレンズのF値や感度との相談にもなりますが、風景をどのくらいまで明るく写して表現するかで決めていきます。感度をあまり上げたく無ければ長いシャッター速度で風景が明るくなる秒数に設定しますが、その場合星は線として流れてくる可能性が高くなります。
※クリックで拡大します
ISO800                 ISO6400
P1044542.jpg P1044540.jpg

OM-DシリーズやE-PL5/E-PM2についている「LIVE TIME/LIVE BULB」の機能を使うと液晶画面で露光中の途中経過が見えるのでとても便利です。この機能である程度適当な秒数がつかめたらその秒数で設定して撮影することも可能です。(複数台のカメラで撮影する場合はLIVE TIMEでの撮影は自分で露光を止める必要があるので、秒数を設定して自動的に露光が終了する方が便利です。ノイズの点でも有利なようです)

この時の注意点は先に書いたように、液晶の明るさだけで判断すると、真っ暗な環境で見ているので実際に撮影されている明るさよりもかなり明るく見え、パソコンに取り込んでみるとかなりアンダーだったということがあります。ヒストグラムが左によっているようであればかなりアンダーですので、左側1/3くらいに山がくるくらいを目安に撮影してみてください。もちろん風景の明るさをどの程度に表現するかは撮影意図によってことなりますので、あくまで目安です。

液晶の明るさで判断したら実際は暗すぎた・・・(真っ黒)
ヒストオグラムは左にべったり
1302-001.JPG









Raw現像で多少明るく現像。山のシルエットが見えるように。
ヒストグラムはやや右に
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別な機会に露出を考えて撮影
1302-003.JPG


あとは風景を明るくするか空の暗さをとるか
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満月の夜などは、まるで昼間のような写真に写すこともできますし、暗さを残して夜の雰囲気を表現することも可能です。
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実際に撮影してみると、目で見ているよりも撮れた写真は案外星が目立ちません。大きく伸ばせば別ですが、小さいサイズだと、星はほとんど見えなかったり、存在感がなかったり、ちょっとがっかりすることも。そんなときオススメなのがソフトフォーカスフィルターです。これをレンズの前に装着すると、明るい星ほど大きく写ってくれます。見た目の印象に近いイメージで撮影することが可能です。

ソフトフィルターなし          ソフトフィルターあり(クリックで拡大)
P1044531.jpg P1044532.jpg



次回は星の軌跡を「線」で写す撮影方法について掲載予定です。



今回もアンケートにご協力ください!


ご質問や返信が必要なコメントはこの記事のコメント欄にお願いします!

posted by kassy at 07:21| Comment(6) | 撮影実践編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、PEN E-PL5で星空を撮ろうと検索しましたら、こちらのHPを見つけました!
とても参考になり助かります。
質問なのですが、私も星空を撮りたいと思っています。
でもかなり高価なものなので、とても選ぶのに悩んでまして。。
候補は
オリンパス 17mm F1.8
45mm F1.8
パナソニックLUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. H-X025
の4点です。
オリンパスの12mmF20は高すぎて手がでません。。
ついでに室内の犬猫も撮りたいのですが、それも考慮したレンズはこの中にありますでしょうか。。
かなり初心者でいろいろみたりしているのですが、結論がでませんでした。。
今持ってる標準レンズは、室内じゃちょっと暗いんです。。
もう一つレンズを購入したいのですが、ご意見をお聞かせください。。
初めてですみません。よろしくお願い致します。



Posted by チーノ at 2013年09月17日 00:41
返信おそくなりましてすみません。
星と風景を撮るのであれば、断然17mmF1.8がおすすめです。
ただ、室内で犬猫撮るのに最適なのは45mnF1.8でしょうか。
もちろんどちらのレンズでも、どちらの被写体も写せます。
どのような写真表現をしたいかで変わってきます。
星だけ撮りたいなら45mmでもよいですが、
周りの風景も重要であれば17mmになります。
犬猫もそれだけを大きく撮りたいなら45nnn、
周りの風景も取り入れないなら17mmになります。
単焦点なので、犬猫を大きく撮るには自分が近寄る
必要があります。どちらをメインに撮りたいのか、
どのような表現をしたいかで決められるとよいと思います。
Posted by kassy at 2013年09月24日 20:59
お返事ありがとうございます!
室内の犬猫を撮って、星だけをとるなら45mmF1.8のレンズがいいというとこですね。
やはり室内の犬猫を撮るというのは、少し離れたところからズームアップして撮りました。
星も都会で撮る場合(明るさとか)でも、星だけ(風景なし)撮るのに45mmF1.8でいけますでしょうか?

あと、17mmF2.8 と 25mmF1.4(パナ)のレンズはどう思いますか?
犬猫は撮れるとしても、星に関してはどうでしょうか。

購入するときに、
45mmF1.8 と17mmF2.8 を一緒に買うか、
17mmF1.8 を一つ買うか、
25mmF1.4 を一つ買うか。
迷っています。


Posted by チーノ at 2013年09月27日 13:39
都会で星だけを撮る場合、もちろん撮れるのですがあまり星も見えないので45mmだと画各が狭くなる分、写る星の数も少なくなります。ですのでおそらくイメージどおりの写真は難しいかと。都会は夜も明るいので、星を点景で写すとほとんどその存在に気づきません。コンポジットでつないではじめて存在感が出てきます。画各が狭いと線も少なくなります。パナのレンズは自分で使ったことがありませんのでなんともいえませんが評判は悪くないかと思います。17mmF2.8でも撮れますが、やや暗くなるのでピントあわせが星以外のもので行う必要があるかもしれません。(レンズが暗い分液晶やEVFでは見えない可能性が高いです)
Posted by kassy at 2013年10月05日 13:28
横から失礼します。
星だけを考えるのならベストは12mm F2.0ですが、挙げられた中だと、赤道儀を使わないのであれば、17mm F1.8か25mm F1.4だと思います。どちらも良いレンズなので、どちらを購入されても後悔はないと思います。ただし、映る範囲が違うので、今の標準ズームレンズで、17mmと25mmに設定して使ってみて、どちらの画角が好みかを試してみてから購入すると、後悔がないかと思います(^^)
Posted by だいとしぃ at 2014年01月01日 19:12
そうそう、レンズは11-22mmの11mm側や、35-100mmもとってもおすすめかと思います(^^) 新しい、12-40mmも結構良いですね〜

Posted by だいとしぃ at 2014年01月01日 19:14
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